「民営化」「市場化」により業務の担い手の非正規化、「官製ワーキングプア」が広がる
区の事業の管理運営を民間企業に委託する「指定管理者制度」の施設が、この4月から55か所になりました。児童館、交流館、体育施設や図書館に拡大し、今年度から区営住宅まで広がっています。学校給食は全小中学校が業務委託になり、4月からはシビック2階の戸籍住民課の証明書発行業務まで人材派遣業者に委託されました。
先日参加した研修会で、小泉構造改革を境に急展開してきた「自治体民間化」の現状と課題を学習しました。国が法整備して道筋をつけドンドンすすめた「民間化」で、
- 経済界の商機拡大―公の施設を利用してもうけをあげる
- 担い手が非正規に置き換えられる
- 公共サービスの質の低下
文京区総合体育館はこれまでの東京ドームグループにスポーツ品メ―カーの大手ミズノがジョイントして受託し、区営住宅は東急関連会社が参入。そのもとで働くスタッフの労働条件は「企業努力」と言って明らかにされていません。
「地域の課題は地域で解決」?
また、NPOやボランティアの力を借りて「地域課題の解決」―これが新しい自治のあり方だという考えで担い手づくりが進んでいます。ボランティアなどへの支援は強めるべきですが、区の大事な仕事をNPOなどに押し付けてはなりません。公の仕事は、責任のある質の高い、そして良好な雇用のもとで運営されるべきでです。